IC-R6が品薄。

11月に入ったらアマゾンと無線ショップは在庫が復活していたから、しばらくは大丈夫なんだろう。



アマゾンとか大手家電通販サイトを見ていたら簡単受信機定番なICOMのIC-R6が軒並み品切れになっている。

アイコム 広帯域ハンディレシーバー 0.100~1309.995MHz IC-R6 – アマゾン
アイコム 広帯域ハンディレシーバー IC-R6 受信拡張スペシャルバージョン – アマゾン
広帯域ハンディレシーバー IC-R6 – ビックカメラ
アイコム ハンディレシーバー(ICR6) – アペックスラジオ
IC-R6 [広帯域ハンディレシーバー (免許不要)]  – ヨドバシ.com

今はアイコムの個人向け商品は入荷が不安定とはいえ、アマゾンのいくつかのバリエーションは在庫有りで、ハムショップの通販サイトではまだ通常価格で売られていて、販売終了とかの告知は見当たらない。でもヨドバシ.comの「販売を終了しました」は気になる。

CQオームではノーマルの黒が予約のみ、赤と青の在庫有りと予約が混在になっている。自分が使った限りではCQオームの予約で入らずキャンセルされたことは無い気がするから11月以降入荷は見込みがあるのだろう。

今のところ正式に販売終了のアナウンスが出たわけではないし、一時的に入荷待ちだと信じたいが、昨今の情勢を考えると終売になっても仕方ない気もする。現行の簡単版受信機はアイコムのIC-R6、アルインコのDJ-X8の二機種しかなく、IC-R6が無くなるとDJ-X8だけになる。来年DJ-X100が出るとはいえ、これは短波も入らないしターゲットがニッチすぎる。



次出てくるとしたらSDR機になりそうだから、おそらく最後になるアナログ機(スーパーヘテロダイン式)のIC-R30が欲しい。

特小トランシーバーで遊んでみる。

格安で売っていた中国メーカーの特小トランシーバーは思ったより飛んだが、国内メーカーのちゃんとしたものがどのくらい使えるのか。

アイコムの特小機IC-4350L(新品)、IC-4088D(中古)を買ってきた。

前に中国メーカー品で試したときは市街地の2F窓際~地上手持ちで400mてところだった。

前回と同じように2F窓際対地上徒歩の構成にする。IC-4088Dを中継モードにして2F窓際に配置、IC-4350Lを持って周辺をうろつきカーチャンクしてみる。持ち方によらず安定して使えるのは600m以内、場所を探して使えるのは1km。堤防沿いは1.5km以上離れても安定してつながる。

以前の考察では国内品に対して短縮アンテナの中国製は7割くらいだと考えていたが、非短縮の1/4λアンテナ搭載機はやっぱり安定して送受信できる。

シゴトのデンパを遊びに使うフリラーの間でアイコム機はアルインコ機よりも評判は良くないが、実際に使ってみると送受信についてはそこまで問題無いんじゃないかな。感度は仕様上アルインコ「-14dBμ」に対してアイコム機は「-13dBμ以下」で1dB以下しか変わらない。Sメータとかは無いから、そこらへんはアルインコ機のがフリラー向けかも。感度のほかにアイコム機はスキャン機能とスケルチオフ機能など細かいところが機種ごとに異なるのもフリラー要注意。

・現行機種の電池3本タイプ(IC-4110/4110L、IC-4188D)のスケルチオフ
任意にオンオフできない。電源を切って設定モードに入る必要があるうえに、一度スケルチオフにすると電源を切るまで戻せない。

・スケルチオフの操作(電池1本タイプ)
IC-4350/4350L→機能ボタンを押すたびにスケルチオフ・オン切替。(オルタネート動作)
それ以外→モニタボタンを押している間、スケルチオフ。(モーメンタリ動作)
※旧機種のIC-4008Wは操作ラグありのオルタネート動作。

・IC-4300/4300Lのチャンネルスキャン
使用中/空きチャンネルのスキャン機能が無い。


・電池1本タイプ
外部電源使用不可。

・受信方式
IC-4400/4400L、IC-4310/4310L→ダイレクトコンバージョン。使用時間がIC-4300/4350が単三1本で33時間駆動に対して、IC-4400/4310は24時間。
それ以外→ダブルスーパーヘテロダイン。4300/4350は1st IF=21.7MHz、2nd IF=450KHz。

民生用ラジオはSDR化が進んで久しいが、業務用の無線機もダイレクトコンバージョン・SDR方式に置き換わっていくのだろう。

近距離の連絡用に使うなら問題ないとはいえ、フリラーのように限界を求める場合、現状のダイレクトコンバージョン機は感度が一段劣るという見解が多い気がする。最新のDC機IC-4400/4310と前機種のダブルスーパー機IC-4300/4350の比較ならまだ在庫が豊富なIC-4350がアイコム機では現時点でベストバイということにる。

C++/STLでDFT、IDFTしてみる。

C++/STLでモダンに複素DFT、IDFTを実装。なんか、もやもやしていたけどすっきりした。やってみたら簡単だった。


#define _CRTDBG_MAP_ALLOC
#include <stdlib.h>
#include <crtdbg.h>

#include <iostream>
#include <complex>
#include <cmath>	// sqrt, sin, cos
#include <iomanip>	// setprecision

const double pi = 3.1415926535897931f;

const int length = 32;

// initialize array
template <class T> 
void inita(std::complex<T> *data, int length) {
	for(int i=0; i<length; i++) {
		data[i] = std::complex<T>(0.5f+std::sin(2*pi*i/length+4), std::cos(4*2*pi*i/length));
		//data[i] = std::complex<double>(2, 3);
	}
}

// display array
template <class T>
void dispa(std::complex<T> *data, int length) {
	for(int i=0; i<length; i++) {
		std::wcout << i << L":" << std::fixed << std::setprecision(5) << data[i] << L" " << abs(data[i]) << std::endl;
	}
}

// deep copy
template <class T>
void copya(std::complex<T> *data, int length, std::complex<T> *dest) {
	for(int i=0; i<length; i++) {
		dest[i] = data[i];
	}
}

// DFT
template <class T>
void worka(std::complex<T> *data, int length, std::complex<T> *res) {
	for(int j=0; j<length; j++) {
		res[j] = std::complex<T>(0.0f, 0.0f);
		for(int i=0; i<length; i++) {
			res[j] += exp(std::complex<T>(0,  2*pi*i*j/length)) * data[i];
		}
	}
}

// IDFT
template <class T>
void workb(std::complex<T> *data, int length, std::complex<T> *res) {
	for(int j=0; j<length; j++) {
		res[j] = std::complex<T>(0.0f, 0.0f);
		for(int i=0; i<length; i++) {
			res[j] += exp(std::complex<T>(0, -2*pi*i*j/length)) * data[i];
		}
		res[j] /= length;
	}
}

void main(void) {
	_CrtSetReportMode(_CRT_WARN,  _CRTDBG_MODE_FILE);
	_CrtSetReportMode(_CRT_ERROR, _CRTDBG_MODE_FILE | _CRTDBG_MODE_DEBUG);
	_CrtSetReportFile(_CRT_WARN,  _CRTDBG_FILE_STDERR);
	_CrtSetReportFile(_CRT_ERROR, _CRTDBG_FILE_STDERR);
	//#define d_new new(_NORMAL_BLOCK, __FILE__, __LINE__)

	using atype = double;
	std::complex<atype> *data, *res;
	data = new std::complex<atype>[length];
	res  = new std::complex<atype>[length];
	
	std::wcout << L"-- orig --" << std::endl;
	inita(data, length);
	dispa(data, length);
	
	std::wcout << L"-- DFT --" << std::endl;
	worka(data, length, res);
	copya(res, length, data);
	dispa(data, length);
	
	std::wcout << L"-- IDFT --" << std::endl;
	workb(data, length, res);
	dispa(res, length);

	delete [] data;
	delete [] res;
	
	_CrtDumpMemoryLeaks();

	return;
}

ビルドはVC++で cl /EHa complex.cpp

十数年前に学校で履修してわけがわからないまま単位取得したテイラー展開フーリエ展開ラプラス変換、それと線形代数の行列・逆行列はすべて関連しているんだと、なぜか未明に気づいてはっとした。数学が得意な人からしたら当たり前じゃんてなるだろうが、数学が嫌いな人からしたらそれぞれは離散的で結びつかない。こういうことはもっと早く教えてほしかった。ウィキペディアの説明ではとても理解できない。



忘れないうちにコードのメモ。

main()内の_CrtSetReportModeあたりはCランタイム組み込みのメモリリーク検出デバッグ機能の有効化。最後の _CrtDumpMemoryLeaks();を実行するときに開放されていないメモリがあれば警告してくる。#define d_newを有効にしてヒープのnewをd_newに変更すればどこでメモリリークしたか表示する。

using atype = のところで全体の精度を指定する。どうせfloatかdoubleしか指定しないが、一応テンプレート対応てことで。Old C Styleのtypedef ~ と同じ。length = の指定で長さは任意に変更できる。FFTではないのでn^2長さでなくても構わない。

inita()で初期データを作成する。サンプルはY=0.5+SIN(2πt+4) + COS(4*2πt) i のオフセットのある実数部正弦波+虚数部余弦波のツートーン。

worka()、workb()がDFT、IDFTのメイン処理。同じデータ長の実数部と虚数部で90度位相差がある二つの正弦波を0倍(DC)~N-1倍の振動数まで順に掛け合わせる。DFTとIDFTは掛け合わせる振動の向きが正負逆になる。オイラーの公式で実数と虚数に分離してSIN、COSの組み合わせで計算すると逆行列になる。

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いちばん簡単でいちばん詳しいDX-SR9Mのデジタルモード付きな令和最新の局免申請のし方。

アルインコのHFオールモード名機DX-SR9シリーズ(DX-SR9M、DX-SR9J)。

高めのハンディ機くらいの値段なのに、ドットマトリクス液晶やDSPを内蔵せず、最新のアナログ技術を結集して作られた、最後にして最高の大手メーカー製アナログ機といえよう。起動時のアルインコ音が無いのもアルインコっぽさが無くて良い。各モード用の標準・ナロー ムラタフィルター、R8ゆずりのLF~のゼネカバ受信、コリンズフィルターを任意に搭載可能、TCXOで1ppm、そしてSQL・RIT・IF-shiftを自由に論理位置変更できる謎機能搭載。ごちゃんねらーですら文句のつけようがほぼ無い仕上がり。まさに名機。

名機なのに技適無しで申請が面倒。名機なのにネットを探しても開局申請したという報告がほぼ無い。6エリアのOM局長様がTSSでデジタルモードを保障認定したことを報告されているが取説通り・メーカーの系統図で、ということになっている。アマチュアのデジタルモードは去年簡素化されたので取説とメーカーの開示している情報通りだと簡略化前の内容になっている。

12年以上前に当局のデジタルモード申請をしたときはTSSやら総通から問い合わせが来て回答書を作ったりして非常に面倒だった。さすがにデジタルモードが浸透した今はそんな面倒な事にはならないだろうけど、今回もなるべく楽したいし、附属装置を少しいじったくらいで再度申請とか必要無いように申請したい。

ということでDX-SR9Mを使ってデジタルモード有りで、できる限り簡単な内容で保証認定と免許申請をしてみる。今回は初めてJARDの保証認定を使ったがTSSでも同様だと思う。ちなみにアルインコが商品ページでTSSではなくJARDを推しているのはAlincoがJAIA加盟メーカーだからと推測した。JAIAの関連団体リンクにあるアマチュア無線関連団体の順列ではJARDが先頭にあってTSSが一番最後にあるからJAIAの2社に対する扱いが読み取れる。アルインコの商品ページでJARD推しになってるのは、TSSよりもJARDを使ってくれというアルインコの隠れたメッセージだろう。(並びは50音順だろうと言われればそうかもしれないが、JARDとJAIAは関係性が深い。)

局免申請の「事項書及び工事設計書」
13 電波の型式並びに希望する周波数及び空中線電力

3アマさんは10M、14M無しで。

15 備考 簡素化デジタルモード手続きのキーワード「デジタルモードのため附属装置(PC)を接続」を書いておく。(実際の申請では “PC等” って書いた。ICレコーダーとか繋ぎたいし。)
16 工事設計書 工事設計書の中は後述。
添付書類 JARD/TSSから送られてきた保証認定の書類を追加。

16 工事設計書の工事設計書編集から工事設計情報入力を行う。基本的には取説から拾って次の項目を埋めるが、取説からは変調方式の入れ方が分からない。画像参照。
・発射可能な電波の型式及び周波数の範囲:事項書の一括表記を超えない範囲で。
・変調方式
・終段管
・定格出力
・添付書類:後述

電波の形式を入れるのが面倒。
3アマさんは10M、14M無しで。

※DTMF付きのマイクEMS-57を使いたい場合は28MHz帯にA2D、F2Dを追加する。

添付書類には送信機系統図を追加する。画像ではPDFを添付しているがJPEG二枚でも良いはず。
1ページ目は取説をスキャンしてDX-SR9M(50W機)の内容だけにしたもの。取説はDX-SR9J(100W機)と共用になっている。
2ページ目は附属装置の接続を書いたもの。これが今回のポイント。メーカーの説明のようにモードごとの細かい諸元は書かない。

スキャンした画像を少し編集する。

コリンズフィルターを取り付けた場合は対応する「セラミックフィルター」の3か所を「メカニカルフィルター」に変更する。

メカニカルフィルター(フル実装)版の送信器系統図

取説やメーカーの説明ページにある送信器系統図は簡素化されたデジタルモードの手続きから照らし合わせると冗長すぎるし、将来新モードを追加する場合は申請内容との不整合で疑問が生じる。

送信器系統図の2がやたら簡単になったが保証認定、免許申請は通る。

DX-SR9Mは最初から50Wに設定された送信機だから3アマでも問題なく保証認定されるが、DX-SR9Jを50Wに設定した送信機を3アマが申請する場合はメーカーかJAIA加盟店(販売店)が作成した「空中線電力50W固定措置に関する証明書」を添付する必要があるかもしれない。1アマ・2アマの場合は改造箇所の写真とパワー計で各バンドの出力を測定している写真を添付すればOK。移動する局の申請で面倒に巻き込まれたくなければ自称上級ハムでも最初からDX-SR9Mを買う。

なお、前機種のDX-SR8Jは旧スプリアス規格で保証認定を出してもらえない。個体ごとにスプリアスの測定結果を出す必要があるらしい。SR9の保証認定でも面倒なのに、あえてSR8で茨の道を歩もうとするならそれはそれで良い経験になると思う。自分はやりたくない。

通信技術[電子事業部]|総合FAQ(よくあるご質問)|ALINCO – アルインコ
https://www.alinco.co.jp/faq/contents_type=322
・生産を終了したDX-77とDX-SR8は旧規格で、確認保証の対象になっていません。スプリアスに関しては自己測定やJARDの測定サービスを受けていただく必要があります。


名機なのに高めのハンディ機くらいの値段しかしないから誰もが買いやすいのに10W機の設定が無く、残念ながら4アマはこの名機を使うことはできない。仮に送信ができる状態のDX-SR9M/Jをアンテナを繋ぐと不法無線局の開設に対する罰則として「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せらるほどの犯罪行為。3アマか2アマにステップアップしてこの名機を堪能しよう。



10月_3日 保証願提出
10月21日 保証完了
10月21日 変更申請提出
12月_1日 変更申請審査終了
12月_2日 返送用封筒送付
12月_8日 免許状到着
2022年7月 メカフィルとDTMFマイク追加の変更届完了

今回は一回の質疑も手戻りも無く完了。
かかった日数67日。長かった。


2022年秋くらいでDX-SR9は生産終了になった。2023年に入っても流通在庫がある。ユーチューバーハムも全然紹介してくれないから気づかなかった。


ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等
に係る制度改正案(要旨)

2023年3月と9月に施行の予定のアマチュア無線の制度改正、DX-SR9の免許申請にも若干影響を与えるが、DX-SR9J/Mは技適対象機ではないから次の3点が変更になりそう。

1.『「事項書及び工事設計書」の13 電波の型式並びに希望する周波数及び空中線電力』の項目は無線局事項書の記載『12 電波の型式並びに希望する周波数及び空中線電力指定可能な全ての電波の型式、周波数及び空中線電力』へのチェック1箇所に変更。

→SR9を導入するような局長さんは総務省指定ライトユーザーではないから、「特例様式の工事設計書」は使えなくて工事設計書は書かんとあかん気がする。知らんけど。

2.『15 備考 簡素化デジタルモード手続きのキーワード「デジタルモードのため附属装置(PC)を接続」』の記載不要。

3.送信機系統図(附属装置の諸元を含む)の添付不要。

スタンド充電器の中を確認。

ICOMのハンディトランシーバー用の急速充電器、スタンド型だから置いて使うときなど便利なのに基本別売でそこそこ高価だからオプション商法などと揶揄される。

現在唯一のハンディ機ICOM IC-T70もそのパターンでこの機種専用のBC-191が入手できなくなる前に買った。

まあ、ごく普通。

アイコム製の機器はこのあたりのカッチリ感がアルインコ製より良い感じ。アルインコのDJ-X7なんかはスタンドチャージャーが附属してるけどなんかグラグラしてて接触不良気味になったりする。

BC-191は本体ときちっと勘合して気持ちがいい。でも値段が高いのに中身が接点だけとか有り得ないし、とりあえず分解してみた。

回路のトレースはしたくないくらいの集積度。ルネサスの8ビットマイコンμPD789112、富士通のレギュレータIC MB3759、JRCのオペアンプNJM2904 なんかの国内メーカーの集積回路が載っている。基板も多層基板で受動パーツ類もしっかりした印象。アマチュア無線機用としてはもったいないくらいの作り。

アイコムのメイド・イン・ジャパンへのこだわりを感じた。