ソニーの抵抗入りケーブルの回路

長年使っていないケーブル類を整理していたら、20年以上前に買ったであろうソニーの抵抗入りケーブルが出てきた。たしかOrange Boy(Box?)とかいうシリーズのよく見かけた橙と青色の吊り下げ式パッケージなっていたもので、 モノラルミニプラグ←→ピンプラグ(x2) 、抵抗入りという仕様。

モノラルのイヤホン端子に挿してステレオのラインレベルで出力するのか、ラインレベルの出力をマイクレベルに落として出力するのかどっちか忘れた。→抵抗値から見てたぶんラインレベルをマイクレベルにするものだと思う。ざっとggrksってみたところ、現行品では無いようだ。一番近いものだとRK-G128で、これはステレオピンプラグ。
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で、Orange Boyの箱には定数無しの回路図が書いてあったのに、いつか定数を調べたいと思いつつずーーっと放置して今に至る。どうせ今日捨てるので、おそらく「抵抗ネットワーク」を内蔵しているであろうコード分岐部の膨らみ部分を解体してみることにした。

sony抵抗入りケーブル

うーん。ちゃっちい。必殺黒色レジン固め。リバースエンジニアリング封じかな。
誤差5%の金が輝いてるのにソリッド抵抗っぽい。高純度無酸素銅OFCケーブルが泣いてますよ。ソニーさん。うまく削れないし、溶かすのも面倒なのでテスターで測ってみた。ちなみに同シリーズの抵抗なしケーブルは透明のレジンだった。それは単にLRが圧着でかしめてあるだけで、グラウンドに至ってはねじり配線のみ。

ソニー抵抗入りケーブル回路図

※まちがっていたので差し替え。15/06/21

カッコ内は実測値。抵抗は誤差5%、1/4Wのソリッド抵抗。

回路的にはよくあるインピーダンス・レベル変換回路。機能的にはこれで十分。抵抗一本でLR二又に分けてるのでなく、LRそれぞれに56kが入ってるのが良い。しかも1/2分圧部は3.5mm∮ジャックの中に入ってて、56kΩの出力整合部はRCAピンに近い中間の分岐部に入っているという凝りよう。で、400Ωで受けて56kΩという割とハイインピーダンスで受けて出しているのね。昔からあった製品のようだし、もしかしたら真空管やゲルマトランジスタの時代だったかもしれないし、これくらいのが良かったのかな。今ならもっとロー受けロー出しのが良いだろう。

個人ブログなんかでテスターーで測ってみて「インピーダンスーマッチングガーー」とか言っちゃってるのあるけど10kΩでも50kΩでも音量の違いこそ出ても音質にはまず影響ないですからね。もしノイズが多いとか歪むとかなら、受け側機器の録音レベルが適正になっていないだけなので、そういう時は違う定数のケーブルを使うか素直にラインアンプを検討すべきでしょう。

ところでモノラルイヤホン出力をステレオラインに入力するって、すでに絶滅した接続形態だ。 30年近く前ならモノラルテレビのイヤホン出力をステレオにつないで音だけを録音とか、そういうのをしてた気がする。ラジカセ内蔵のマイクだと生活音が入るものだから。

複数の電気店さんの個人ブログでソニーがアナログケーブルの販売を7月末で終了すると書かれています。
http://sony-ashikaga.blog.so-net.ne.jp/2015-06-10
http://www.sound11.com/…

これらの製品は代わりがあるとはいえ、ソニー以外のケーブル類アクセサリってほんとに雑な扱いなので無くなると思うと残念な気もします。これからは変換ケーブル類は自作の時代だな。

ソニーの抵抗入りケーブルの回路」への2件のフィードバック

  1. 抵抗なしケーブルのねじり配線も樹脂で封止してあるので、接触不良(外れ)や酸化は防げているのだと思います。
    でも、カシメくらいはしておいてほしかったですね。
    抵抗入りケーブルの抵抗器まわりはハンダ付けで、端子部は圧着だった気がします。

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