短波コンバータを作ってみた。

短波放送を聴くなら短波ラジオを買えばよいのだが、ン十年前に読んでいた『子供の科学』で科学教材社の広告に載っていた「短波コンバータ」なるものが気になって仕方なかった。小学生には若干お高いので結局買わずじまいだったが、これを使えば手持ちのAMラジオで短波が聞ける、とそういうもの。

短波ラジオを持ってるのに、いまだに「短波コンバータ」への未練があるので作ってみる。いつものように短波コンバータでggrksるとOM皆さん素晴らしい成果を公開してくださってますね。ノスタルジックに真空管でとか、正統派高周波なデュアルゲートFETでミキサとか、VCO+リング変調器でとか。

今は短波ラジオを持ってるし、そうでなくともストリーミングで聴けるし、そんなに凝って作ってもどうせ使わないだろう。それにハンダ付けなんて面倒だし。なので手間をかけずに手っ取り早く作ったことにしたい。



できたできた。

swconv.jpg swconv_fig

おそらくラジオ工作史上最も簡単な短波コンバータ。ディップメーターのコイル部に4mくらいのワイヤアンテナの根本を数回巻き付けて、その端をAMラジオのアンテナに接続しただけ。

親ラジオはソニーのICF-801。ごく普通のアナログAM/FMラジオ。アンテナはFM用だが、ラジオ本体に電波をInjectionできればいいのでこれで十分。AMラジオは上側バンドエッジ付近にチューニングしておき、ディップメーターで3~10MHz付近のコイルを使って最大出力くらいで適当に発振させる。ディップメーターのダイヤルをゆっくりゆっくり廻していくと運が良ければ短波放送が聞こえてくる。微調整はディップメーターの出力調整である程度可能だし、AMラジオ側でも行える。ディップメーターでなくともテストオシレータでもアンテナアナライザでもDDSなFGでもとにかく微弱なHF帯の信号を可変に発振できる機器なら何でもいい。短波ラジオの局発を取り出すとかいう意味不明な手段も良い。

夜に試すとダイヤル読み11.5MHz付近でCRI他5局くらい簡単に聞こえてきた。分離も十分。短波特有のフェージングも体感できる。ディップメーターの発振やコイルの結合も思ったより安定しててしばらく聞いていても周波数がそこまでずれたりもしない。

仕組みとしては原理的で、ワイヤーアンテナで受信した短波の電波Fwをディップメーターが発振する信号Foと混合してヘテロダイン周波数Fs=Fw-FoまたはFs=Fo-Fwを得る。AMラジオはSWよりも低い周波数しか受からないので必然的に差の周波数を受信することになる。ディップメーターが12MHz、AMラジオが1600kHzなら受信している周波数は13.6MHzか10.4MHz付近と推定できる。4アマでも習う内容。親ラジオの特性に影響されるから再現性は良くないが、いじるところが多くて面白い。アンテナを工夫するとか、結合コイルの巻き数はとか、ラジオのどこに接続するかとか、ラジオの受信周波数はとか、こんな単純なものでも試すところは無数にある。

性能は市販の短波ラジオには遠く及ばないが、こういう不便なのも良い。

ワイヤーアンテナを外に出してみたらHF帯のどのコイルでもなんらかの放送が聞こえてくる。午前10時前後に全部で30局以上は確認できる感じ。また親ラジオをFM76MHz付近のバンドエッジで受信し、VHF帯のコイルを使ったら、Eスポが発生していて90MHz台にある中韓あたりの放送も5局くらい入ってきた。親ラジオ単体+同一のワイヤアンテナで90MHz台を直接受信するよりなぜかずっと多く聞こえる。さらにHF帯のアマチュアのCWまで聞こえてきた。デジタル表示で一発選曲の広帯域受信機で聞くよりも未知の電波を捉えた気分が楽しい。

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太陽観測用のサンプリズムをばらしてみた。

望遠鏡で太陽を見るための旧い小道具。サンプリズムとサンプリズム用サングラス。

sunprism1

これらを使うと「太陽を観てみた。」の写真のように直接太陽を観望できる。

裏に穴がある。
sunprism2

穴から向こうがスケスケ。
sunprism3

海外では今も作られているのに、ことあるごとに世界最高を自負する日本においては神様であられる「消費者様からのご意見」に怯え負け、PL法のもとに製造を封印し二度と作られることはない。

Cool-Ceramic Safety Herschel prism
http://astrosolar.com/en/products/whitelight/baader-2-cool-ceramic-safety-herschel-prism/

White Light Solar Wedges
https://luntsolarsystems.com/product/white-light-solar-wedges/

Hercules-Red SOLAR SYSTEMS 1.25″
https://www.aliexpress.com/store/product/Hercules-SOLAR-systems-1-25-Herschel-prism/1371081_32532173381.html

バーダー製のは国際光機で取り扱いがあるし、AliExpressで扱ってるものなら国内でも比較的簡単にとり寄せできる気がする。

構造は非常に簡単。くさび型の板ガラスが入っていて、透過光は反対側に素通して表面反射像だけを接眼側に導く、裏面反射像は視野外へ反射させるようになっている。これで94~96%の光を外に逃がして、4~6%だけをアイピース側に送ることになる。これでもまだ減光不足なので濃い緑色のフィルターでさらに減光させる。フィルタが緑色なのは溶接面の遮光ガラスを流用していたのかも。バーダー製など今どきの海外製は白色光で観測できるのもある。

プリズムのガワの蓋を開けたところ。一回り大きな穴が空いた板バネが入っていた。
sunprism4-2

板バネを取り除くとくさびガラスが全部見える。接着剤で固定されている。スケールの反射像がずれた二重になっていて平行ガラスでないことが分かる。プリズムのガワ自体は穴の開いた裏蓋以外24.5mmの天頂プリズムと同一で、直角プリズムを横から固定するイモネジの穴もあいている。
sunprism4

プリズム無しで直接見るためのサングラスも存在するが、使ってみるとかなり熱くなる。2分も連続で観測した後取り外してフィルタ面に触ってみるとアツッていうくらい。一説では10~15分の連続使用で割れるらしい。くさびプリズムを通すと3分程度連続でも暖かいっていうくらいで割れるようなことはめったにないはず。でも9割以上の光・熱エネルギーがプリズムの外に放出されているうえに、プリズムの少し後ろの筒外で焦点を結んでいるので、その光線に触れるとアツッってなる。最初にあげた海外製品はこれの対策はしてある。

減光率がどの程度なのか定量的に測ってみたいが、きちんとした機材は無いしCdsとかフォトダイオードで電圧を測るとかだとフィルタを通すとかなり減光されてまともに測れない。とりあえずデジカメのマニュアルモードで簡易的に見てみる。そのへんにあったパルックボール(電球型蛍光灯)100V13W電球色を50cmほどの距離で撮影。カラーバランスはマニュアルなので白色に見える。

サンプリズム透過 F2.8 E1/2000 ISO125 ND3
sunprism2-1

サンプリズム反射 F2.8 E1/60 ISO125 ND3
sunprism2-2

サングラス透過 F2.8 E1/60 ISO3200 ND0
sunprism2-3

サンプリズム反射+サングラス F2.8 E1/15 ISO12800 ND0
sunprism2-4

映った明るさのばらつきがあるので正確ではないが、感覚的にプリズム反射で6段、サングラス透過で8段、合成で14段くらいの減光ができるみたい。画像処理ソフトできちんと明るさ測ってやらんとダメかも。

プリズムの形状がどうなってるかも調べた。横から見ると台形になっていて斜めの部分の角度は約6度。図の下側が反射面、上側が放出面になる。両面ともメッキやコートは無し。斜めになった裏の反射面の反射光が視野外になればいいだけなので板ガラスを磨けば作れなくも無い。

sunprism3-1

この板きれが穴の開いた天頂プリズムのガワに嵌めこんであるだけだし、溶接面の遮光ガラスをフィルターにすれば自作もできるが、そういうのは自己責任で。