もう暑いから半袖にかえた。この時期になると結構すごい猿腕で腕を逆に曲げて遊んでるのを目撃されると気持ち悪っ、ていわれる。次のような方々と同じで猿腕。専門用語だと過伸展、反張肘、後屈とか。

長濱ねる
城恵理子
KARAヨンスン

こういうのってずっと前の小泉今日子が現役のころからあったし。でもねー、人間の肘って逆に曲がるのが普通なんですよ。曲がらん方がおかしい、とまでは言わないけど。

人間特性計測データベース
http://www.tech.nite.go.jp/human/index.html

ここから肘関節の伸展を取り出してExcelでちょいちょい加工。

elbowrom.png

0度を超えて伸展する(逆に曲がる)角度を見てみるとこんな感じ。グラフの0のところより右側の(逆に曲がる側)が明らかに多い。

  • 最頻値は男性も女性も6度。頻度2位は8度、3位は男性13度・女性12度。
  • 平均値は男性6.7度、女性8.9度。標準偏差は男性11.0度、女性10.6度。
  • 最大値は男性32度、女性37度。

解剖学的には肘関節の可動域(ROM)は伸展0~5度が正常、女性・子供では~10度は普通。15度以上が過伸展と言われるが、実際の測定値ではもっと大きくてボリュームゾーンは5~15度くらい、この範囲だと性差もあまり無い感じ。統計は20歳以上の男女の自動可動域(補助なしで動く範囲)しかないので20歳未満や他動可動域(外からの力で動かす)のデータが入るともっと過伸展側に振れるだろう。女性なら40度くらい反ってる人は複数見たし、同学年の高校男子でも60度以上も反対に曲がる人がいた。

まっすぐよりも伸びない側を見ると、グラフで青い部分が多少目立つ通り男性のが多い。これはムキマッチョで伸展制限があるとかそういうのではないかな。ただ、あくまで多少多い程度で過半数の男性に伸展制限は無いか過伸展するわけだから、「女性・子供は肘が過伸展する」(=過伸展しないのは成人男性のみ) なんていうより「成人男性には肘が伸び切らない人も目立つ」くらいに言い替えた方がジェンダーがフリーだと思う。

元データから数値で過伸展する人の割合を出すとこんな感じ。カッコ内は正規分布に当てはめた場合の確率。反る反らないだけなら8割近くが反るし、過半数が5度を超える。4割以上の10~15度だと結構逆に曲がってる感は出るはずで、20度以上曲がる人はたぶん両肘の内側どうしをくっつけられる。

  • 0度以下 ・・・ 23.7% (23.5%)
  • 0度を超える ・・・ 76.3% (73.5%)
  • 5度を超える ・・・ 61.3% (60.3%)
  • 10度を超える ・・・ 41.3% (42.0%)
  • 15度を超える ・・・ 23.5% (25.4%)
  • 20度以上 ・・・ 13.2% (13.0%)
  • 30度以上 ・・・ 1.35% (2.00%)

はっきりいって肘が逆に曲がらない人は2割、5人に1人しかいない少数派15度以上反るようなすごい猿腕の持ち主も25%、4人に1人くらい居るし、程度の差はあっても8割の人は腕が逆に曲がる。

腕逆に曲がってるキモい、そんなに曲がるわけ無いとか言う人は自分の体が少数派だってことを思い知るがよい。

これにキャリーアングル(外反角)と肩の回転、上腕三頭筋まわりの弛み(二の腕振り袖)が組み合わさると「曲がりすぎー」に見える場合があるっていうのが自分的な結論。キャリーアングルは女性のが大きい(生理的外反の程度が大きい)から猿腕が女性に多いというのは間違ってないと思うが、ヤセとか筋力が無いは関係無い気がする。※外反肘の程度が大きい女性だと、逆にはほとんど曲がらなくても手首が離れるほどの「猿腕」な人もいる。

細身の女子に多い!スラリとした腕の敵「猿腕」って何?
https://moteco-web.jp/diet/20139

そもそも「猿腕」ていう言葉があいまいで、いろいろな状態の人がいる。猿腕で画像検索すると、肘が逆に曲がる人(過伸展、肘の内側がくっつく)と、逆には曲がらず横にずれてる人(外反肘、肘の内側が正面を向く)、その組み合わせになってる人、前腕を捻じっているだけの人などいろいろ。「猿腕」の状態を「猿手」と表現していることもよく見かけるが、医学用語としての猿手とは別。いずれにしても人間の腕は5~10度外反してるのが正常だし、伸展も5~10度は普通だから、やっぱり腕が曲がってない、まっすぐにしかならない方が少数派。

調べていくと日本人を含むアジア系の人種は肘の過伸展の程度が大きい人が多い様子。”elbow hyperextension” とか “double jointed arms” で調べてみた。

CDC アメリカ疾病予防管理センター
https://www.cdc.gov/ncbddd/jointrom/documents/normal-rom-data-description-and-sample-tables.pdf
PUBLIC USE DATASET FOR NORMAL JOINT RANGE OF MOTION Data Description and Sample Data Tables

Label                      N   Mean StdDev Median Minimum Maximum
Left elbow hyperextension  674 3.86 4.71   2.00   0.00    22.00
Right elbow hyperextension 674 3.85 4.85   2.00   0.00    22.00

アメリカではこういう状態らしい。アメリカ人でも程度の差はあってもやっぱり肘は逆に曲がるのが普通っぽい。サンプル数674、平均3.86度、標準偏差4.7度、最大22度。最小0なのと標準偏差が小さいのはマイナス側(伸びない人)を切り捨てて0としているから。男女別、世代別の平均と95%範囲は次のページで詳細に掲載されている。niteと同じような元データもある。

https://www.cdc.gov/ncbddd/jointrom/

他動可動域(Passive)なのでniteの日本人の自動可動域(Active)とは測定方法が異なるが、これだけで判断してもやっぱり日本人のほうが過伸展度合いは大きい。

 

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