ビクセン製の比較的安い鏡筒ばかりを中心にこれまでいろいろな望遠鏡を使ってきたので感想というかメモ。オークションで二度と買わないように自戒の意味で。

・ビクセン SA-70S
知らないうちに親が買っていた。ニューポラリスとのセットで展示品?が1万円台だったらしい。接眼アダプタのネジがバカになってるとか、クランプの取っ手になるビスが無いとか、付属品がいろいろ雑な状態で小学生には重かった。ハレー彗星はこれで見た。セミアポの鏡筒はコントラストは現在となってはもう一つだが、色収差は少ないし、明るい割には比較的落ち着いた印象だったと思う。これがその後の望遠鏡の基準になった。

・ビクセン60L鏡筒 (サブスコープ60L)
追尾撮影がしたくて60Sだか60Mを頼んだらなぜか60Lがやってきた。SA-70Sの上に乗せるには長すぎる。無理して使った。SA-70Sより新しい物であることと、F=15と暗めで像は落ち着いており、中倍率だと結構よく見える。全長1mくらいと長いが光軸調整などがついてないので軽めで取り回しも良く、長焦点アクロマートとしては良い物だった。現在の入門用にこのクラスのものが無いのが残念。軽いが長いので並のカメラ三脚に載せるのは無理で、ちゃんとしたものが必要。ファインダーを付けてカスタム経緯台に乗せてそこそこ使った。

・ビクセン プラネット80S
ビクセン光学かどこかのアウトレットで買った。鏡筒長が短く、三脚ネジの台座も付いてて取り回しが良い。付属のアイピースがf型とかいうコルキット並みのものに変更されててかつ汚れてたのが謎。サンプリズムと組み合わせて太陽観測には手軽で便利だったが、口径80mmにしてF=5。当然満月を見たら縁はひどい青ハロ。口径を60mm程度まで絞って見るという残念なことに。また筒内反射もひどくてコントラストも低い。植毛紙を貼ったらだいぶましになったが、今度は太陽の観測ができなくなった。延長筒が無いとピントが合いにくいというのも残念。便利だったのは60Lで使ってたサブスコープ脚がぴったり合うこと。口径も大きく、ガイド筒には最適。卓上三脚は微動ユニットと組み合わせると異様に使いやすい。微動雲台はバランスが悪くてダメ。地面に置いてしゃがんで使うことになるので蚊に刺されやすい。車のボンネットだと高さは良いが意外と向きが合わなかったり、ボンネットの剛性がないのと三脚の脚がゴムなのでよく揺れることに気付く。短焦点アクロ80mmF5は二度と買わない。

・ビクセン ガイドスコープ60M
中古でゲットした。筒は普通のアクロで悪くないが良くも無い。60Lのが無理が無くて良く見えた。ガイドスコープたる微動装置で残念な箇所は、上下微動のカウンターバネが下側に付いてること。これだと接眼側にGA-4とか取り付けて重くなるとバネが負けて動いてしまう。構造的にはネジを下にするべきだと思うが、こういうのは使ってみないと分からない。この微動装置はハレーマルチ、タキオンマルチにも使われてて接眼側に重い物を付けないという前提なら良いと思うが、どっちかというと微動ユニット+プラネット80Sの構造のが自分としてはしっくりくる。買うならサブスコープ60Mかな。

・ビクセン プラネットRC-125M
オークションか何かでゲットした。カタディオプトリックニュートンとかいう変な構造。ニュートン式の斜鏡手前にレンズがついていて物理的な距離より焦点距離を長くとれる構造。斜鏡のサポータも平面ガラス板でスパイダーが無く光条が出にくいという変わった構造。色が黄色に着色する感じがあるのと中央遮蔽があるので微妙だが口径なりには良く見える。プラネット80Sとは別次元。ただ、斜鏡前のレンズのバルサムが劣化してて気泡だってたことと、主鏡がセルから外せないので再メッキもできないなど、バブリーで使い捨てなところが残念。プラネット経緯台は80Sのものよりふた回り大きく、カウンターウェイトも付いて別物のよう。セットとしては小さいし、地面に置いて使っても横から覗く構造なので取り回しも良い。ただし重い。三脚込みでの見た目は良いので最初のオーナーになるなら80SよりRC125Mを選ぶだろう。中古はたまに見かけるが極上なものでなければメンテできないことの代償をはらうことになる。これも二度と買わない。

・ビクセン FL-80S
接眼側が重くなるとバランスがとりにくくなるがアクセサリーバンドでカウンターをとると良い感じ。あと接眼部自体がもうひとつ。それ以外は言うことなし。ほとんど望遠鏡を見ない人にのぞかせても違いが分かるらしい。GP-Dに乗せると鏡筒自体の短さ細さが相まってもうちょっと大きいFL-102Sが欲しくなる。でも次買うならタカハシFC-100Dだ。FL-80Sはカスタム経緯台に乗せるとちょうど良い見た目だと思う。台はブルドック経緯台になったが、今はこれ1本。

・ビクセン サブスコープ60S
ADVIXのアウトレット。レンズはD=60mm f=480mmでF=8。小さくて取り回しが良い。アクロマートなので青ハロ多く、見えはそれなり。でもこの小ささとしっかり感は安物望遠鏡とは一線を画す。残念なところはドローチューブを入れた状態だとおそらくケラれるて有効径が小さくなるところ。このあたりの構造は面倒でも延長筒を使う80Sのが良いかも。当然ガイドスコープ60Sも同じ。小さくて使い勝手が良いためかオークションでは割と人気なのだが、このケラレはケ●コーの口径詐欺と同じようなものなので、短いドローチューブに交換するとか、延長筒不要をメリットとして有効径40~50mmだと割り切って使うしかない。はっきりいって見えは長焦点アクロの60Lには遠く及ばない。口径が小さい分プラネット80Sより落ち着いている。ちょい見用にはちょっと力不足。所詮ガイド用の鏡筒、二度と買わない。

・オルビィス コルキット スピカ
組立は割と面倒なのとハメ殺しなので後々メンテができないのでレンズが汚れたら、もう一台買う必要がある。接眼部が圧入するだけなので重いアイピースを使うのを躊躇する。「値段の割に」見えは良いが、接眼部がゆがむと収差が出るのでけっこうシビア。この見えで感動できるかどうかが絵踏みなのだろう。普通の長焦点アクロやアポクロで見た後だと眼が肥えているのでそれより前に使うべきだ。

・星の手帖社「10分で完成!組立天体望遠鏡 15倍」「35倍接眼部」
ドローチューブがネジ式(曰くヘリコイド式)で接眼部の交換を考えなければ構造的にはかなり良い。そういう意味で35倍接眼部は要らなかった。24.5mmアイピースを使いたくなるが要改造。他にもフードの追加と迷光対策を行う余地はあると思う。シールは貼った方が構造的に安定するが分解できるようにあえて貼らないか切れ目を入れておくかが悩ましい。サブスコープには、ならないけど1台目ならアリ。接眼部の構造が分かるのも◎。

・ビクセン R-150S
15cmの反射鏡は使う日を選ぶが、条件が良いと見えはすばらしい。NGC 7662も天王星もこれで見た。蒼く見えた。個人でこのクラスの望遠鏡を手にできるというのもすばらしい。コントラストも上々。放物面鏡、1本スパイダーの単純かつ精度の良い光学系とスチールで剛性のある鏡筒は、スライド式接眼のエンプラ製ラックアンドピニオンがすべてを台無しにしている。せめて金属製にしてほしかった。左右端を超えるように動かすと確実にギア山が破損する(実証済み)ので、ラックギアの端を削って意図的に外れるようにすると良い気がした。左右で押すだけなので改造しやすいというところは救いか。あと残念なのはビクセンが反射鏡の再メッキをしてくれなくなったこと。重くてでかいし、たぶん二度と買わない。

・ビクセンR-100M
カスタムD経緯台セット品。3本スパイダーにスライド接眼ではなく普通のドローチューブ。極めてオーソドックスな構造の10cmのニュートン反射。惜しいのは球面鏡だというところ。放物面鏡にしてほしかった。どうせ再メッキはしてくれないので鏡が手に入れば交換も可能だろう。でもそんな主鏡はカスタムオーダーしないと無いか。カスタムD経緯台でも使いやすいが、RC-125Mのプラネット経緯台にもジャストフィットして結構便利だった。安いがニュートン反射の使い方に慣れるのにはちょうど良いくらいで、R-150Sよりも軽いし、R-100Lより短いし、とにかく気軽でいい。今なら10cmクラスの屈折も苦労なく手に入るし、反射はバカでかいのが主流だし、10cmの長焦点ニュートンなんて出る幕も無いのだろう。でも再生産されるならこういうのがあっても良いとは思う。幅と背たけがあるフォークマウントでは若干使いにくそうで手放したが、R-100M自体は本当に使いやすい1本だった。

(タカハシが買えない可哀想な子だったんだろうなと思われそうなものを)いろいろ試した結果使い勝手が良いと感じたのはFL80Sの他は60LとR100M。性能はR150Sに見えは及ばないし、それ以上に大口径で高価なものがより良いのは理解している。けれどある程度の手軽さは最優先の項目だ。

全体的な印象として、並の大きさのものや古くからある長焦点アクロのような「普通なもの」は総じて安心して使える。短焦点アクロ80mm F5やカタディオみたいな「イロモノ」は使いどころを選ぶ。結局一本でなんでもは無理と理解していても、小さすぎても大きすぎても多すぎても手に余る。

 

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